第二部 002話

ガシャン

いきなり空中に、

弾き飛ばされたミヅキの身体は、

受け身もとれず地面に叩き付けられた。

ガンッ!!!!!

「ぐっ」

(俺だけが飛ばされたっ!?……罠か?)

(二人は……まだ中に!)

ミヅキは、三階の高さから叩き付けられた

衝撃に耐えながら、飛び起きると、

エントランスに駆け寄った。

「!?」

誰もいない筈なのに扉がしめられている。

「なんだ……と?」

ミヅキの目の前で、門扉がレンガに

埋まっていく。

「レヴィン
ミヅキが壁に食べられちゃったっ」

「f……見ろ……」

壁から生えてきた犬が、二人に襲いかかる。

グワッ!!!!

「ぅうわあああぁ!!!!」

バキ!

襲いかかる犬が、床に転がる。

「 f っ! 」

「その犬のダストを吸収しろ!」

レヴィンのトンファーの一撃で、犬は意識を失う。

「!!!!」

「あっ! わかった!」

f は落ち着きを取り戻し、ダストを吸収した。

犬は、操られていた疲労からか、おとなしく眠りに落ちた。

「後ろにいろ……」

「俺が、動きを止めた犬から
ダスト(Dast)を吸収していくんだ」

しかし、壁からは無数の犬が産み落とされていく……。

…………何匹まで、もつかな。





「らぁっ」

ブシュ!

「……」

感覚はある……拳はガラスを叩き割った影響の如く、手袋が裂け、血がふきだしている。

しかし、目の前の窓も、壁もなんの変化も示さない。

「…………くっそう」

「ふたりとも……無事でいろよ」

ミヅキは砕けた拳を、何度も何度も叩き込んだ。

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