ミヅキ……ではない。

金色の髪は、サイドで刈り込まれ、少年の面影を残している。

ミヅキに血の契約を交わすことで、僕は自分の身体についても知る事ができた。

僕は、産まれた時、すでにダーザインだった。

辛い記憶だったけど、収穫もあった。

新しい発見。

僕は、成長できる。歳をとれるんだ。

ただ、人と違うのは、時間の経過で歳を重ねるのではなく、自分が望んだときだ。

だだ、気をつけないといけない。

歳はとれるが、若返る事はできない。

彼女らは、僕は死んだと思ってる。

僕は、自分とその能力を隠すため、青年まで歳をすすめた。

店は、大量の瓦礫と成り果てた。

ミヅキには、店には近付くなと言われている。

店は崩れ去ったけど、オトネが連れ去られたこの場所に、必ず手がかりがあるはず……。

F(フー)は、あるものを探していた……指輪だ。

クロウズに身体を乗っ取られ、サヨと戦っている間に落としたようだ。

あの日、初めてミヅキに出会った時に貰った指輪……。

あの日から、僕は、僕が生きてもいいと思えるようになった。

あの指輪から、何かしらの記憶を読みとれば、ミヅキの力になれるかも知れない。

それに、オトネが拐われたこの場所の記憶から、拐われた手掛かりが見つかるかも知れない……。

何かと……。

目が合う。

木彫りの妖精。

ティンカーベルだ……。

(ドアに彫刻された妖精だ……返り血?……いや、わざと目にぬられている)

……あの日から、レヴィンも行方不明だ。

血痕は、店の崩壊時ではなく、その以前の訪問者の者のもの……つまり、レヴィンのメッセージ?

レヴィンが、オトネを迎えに来たとき、着けた血糊。

F(フー)にはわからないが、血はレヴィンのものなら…、

ミヅキは、血のねがいが、わかる。

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オトネが、サオリに捕らえられて数ヶ月経つ……。拘束されているというわけでもなく、むしろ、客として迎えられている感覚に近い。

レヴィンの部屋も隣に用意されていて、自由な往来を許されている。

オトネは、レヴィンの部屋に行ってみる。

また、留守だ……。近頃、何時間もサヨの用意した資料室に込もっている。

街の一般人であるミヅキや、レヴィンは知らなかった事でもあるが、ダストの存在や知識は、古くから研究されている。

あらゆる視点から解釈された結果、様々な組織が生まれ、幼少のオトネが過ごした信仰施設なども発生した。

オトネが子守唄がわりに聴いていた唄が、伝承された旋律「アズレリイトオン」だとレヴィンは言った。

その唄で、この協会に集められた人々を目覚めさせる事ができるかも知れない。

レヴィンが……そうしたいなら……。

血に触れるミヅキ。

ミヅキに流れ込んできたものは、レヴィンの血の記憶だった。

協会の計画にレヴィンと、オトネの能力が必要だという……。

そして、レヴィンの〘血のねがい〙。

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