摂り方
筋トレ中、なぜタンパク質が必要なのかその理由と、筋肉を育てるために効果的なタンパク質の摂り方をご紹介します。
タンパク質が筋肉合成を助ける
トレーニングによって疲労した筋肉は、タンパク質などの栄養を補給することにより、破壊・補修・さらに強く回復というサイクルを経て、筋肉が少しずつ太くなります。 この筋肉発達のメカニズムは「超回復」と言われます。筋肉の材料になり、トレーニングで壊れた筋肉を補修するためタンパク質が必要なのです。
タンパク質の摂取量
通常、成人男性に必要とするタンパク質は、体重1キログラムあたり0.8グラム程度とされています。しかし、トレーニー(筋肉トレーニングを行っている人)は、2グラム以上、さらに強いトレーニングを行っている人は3グラムを必要とすると言われています。 一般的な食材では、牛乳は100gあたりタンパク質が3.3グラム、絹ごし豆腐は4.9グラムが含まれています。
筋トレ前、筋トレ後、いつ摂るか
運動前、運動中、運動後のタンパク質摂取について、 筋トレした場合、いつのタイミングでタンパク質を摂取すれば効果的なのでしょうか。
- 運動前:運動に備えて、空腹状態にならないようにする。
- 運動中:主に体を動かして消費してしまう水分や糖分を補給。
- 運動後:トレーニングによって傷ついた筋肉を修復するためのタンパク質をとる。45分以内にタンパク質を摂取すると吸収率も上がる。
このように、特に「運動後のタンパク質摂取」が筋肉を育てるために重要です。

タンパク質の多い食品
筋トレ中の食事の参考に、タンパク質が多く含まれている食品をまとめました。
タンパク質の含有量をチェック!
それぞれ、100g中のタンパク質量は以下のとおりです。
- 肉類:鶏ささみ(23.0g)、牛もも肉(21.2g)、豚ロース(19.3g)
- 魚介類:イワシ丸干し(32.8g)かにかまぼこ(12.1g)、魚肉ソーセージ(11.5g)
- 卵類:卵黄(16.5g)、ゆで卵(12.9g)、ウズラ卵(12.6g)、生卵(12.3g)、卵白(11.3g)
- 大豆製品:きな粉(35.5g)、油揚げ(18.6g)、納豆(16.5g)、厚揚げ(10.7g)、豆腐(6.6g)、豆乳(3.6g)
- 乳製品:パルメザンチーズ(44.0g)、脱脂粉乳(34.0g)、プロセスチーズ(22.7g)、カマンベールチーズ(19.1g)、クリームチーズ(8.2g)、植物性生クリーム(6.8g)、ヨーグルト(4.3g)、牛乳(3.3g)など
このように、日常の食事で摂る食品にもタンパク質は含まれています。食事のとりかたの目安にしましょう。
筋トレ中のおすすめ高タンパク食材
特にトレーニング中におすすめの、手軽に取り入れられる高タンパク食材をご紹介します。
- 納豆:骨の中のタンパク質を活性化し、新しい骨の形成を促す効果があるビタミンKが含まれる。
- 無脂肪牛乳:タンパク質豊富な牛乳から、脂肪分をのぞいたもの。カルシウムも摂取できる。
- ツナ缶:水煮タイプのツナ缶は、手軽なタンパク質摂取としてアスリートにも人気。缶を開けるだけで食べられる手軽さで、特に筋肉量を増やしたい人のタンパク源にオススメ。

卵1個にすごい栄養が
そして特におすすめしたいのが、タンパク質が含まれた食材の代表格である「卵」。そのすぐれた栄養素と、卵ならではのメリットをピックアップしました。
お手軽なのに完璧な食材「卵」
卵は完全食品とも言われ、食物繊維とビタミンC以外のすべての栄養素が含まれています。アミノ酸のバランスを数値化した「アミノ酸スコア」に関しては、なんと100点満点。 卵1つにつき、タンパク質は6.4g含まれています。また、各種ビタミンやカルシウム、亜鉛や鉄などが含まれていますが、カロリーは80kcal程度です。
免疫力強化、疲労回復、脳の活性化、美肌、 筋肉アップだけでない、こんな効果もある卵の効果
栄養バランスがすぐれた卵には、筋肉アップだけではなく、免疫力アップ、美肌、疲労回復などの効果があります。卵に含まれているコラーゲンが美肌のもとに、卵の卵白に含まれるリゾチームが風邪などの細菌を溶かす作用があります。 卵に含まれるビタミン群(ビタミンA,B6,E)は、活性酸素の発生を抑えたり、除去する働きがあります。レシチンにはコリンと呼ばれる成分が含まれており、これが脳組織の老化を防止し活性化させると言われ、アルツハイマーの予防に期待できると注目されています。 また、コリンには中性脂肪の量を調整する働きもあり、血圧を低下させ、高血圧や高コレステロール血症や脂肪肝などの予防・改善にも効果があるとされているので、生活習慣病やメタボが気になっている人にもオススメの食材と言えます。
卵はダイエット向き 低カロリーな高タンパク食材
高タンパクの食品は同時に高脂肪なものも多く、その分カロリーも高いので摂取しすぎると肥満につながりますが、卵は脂肪分を含んでいるのに低カロリーです。 以前は卵は高コレステロール食材として、一日2個以上食べるのは敬遠されていましたが、コレステロールの摂取量は食事からの影響は受けない、ということがわかったため、2015年の改定により日本人の食事摂取基準からコレステロールの摂取目標量の項目が削除されました。

黄身、白身、ゆでる、生、卵の食べかたを考えよう
それでは、実際に卵を食事に取り入れる際の調理の注意点などをご紹介します。
卵黄と卵白、なにが違うか
卵黄には質の高いタンパク質が含まれていて、栄養価という面では卵黄の方が優れていますが、卵白には低脂肪なタンパク質や、糖質・脂質の代謝を促すと言われるビタミンBが含まれています。 さらに、ダイエットという面では、卵黄が387kcalなのに対して、卵白は47kcalなので、低カロリーで満腹感を得るためには卵白は軽視できません。