ゴフっ………

内蔵を損傷したのか、ドス黒い血を吐き出しながら、レヴィンが立ち上がる。

「すまないな………力不足で」

「f………君…一人を救うことも
出来ないとは」

「フッ………」

「どうにもならない時に、
どうしようもない事を
思い出すもんだな………」





母は、エクソシストの
家系だった……。

ダストを悪霊と捉えていた
時代の生き残りだ……。

ダストは闇に集約し、
光に拡散する。

その性質上、それを操ろうとする者は、いぶかしがられ、畏れられた。

彼女は、独学で術をみがいたが、その能力は不完全だった。

だから、夜明けを利用する。

結晶を使って少しずつダストを引き剥がす………。

5歳のレヴィンにできた事。

母の合図に合わせて、ブラインドを開く。

………美しい朝日が部屋に射し込み、
ダストは散開する。

…………はずだった。

ダストが剥がれる
この瞬間。

レヴィンはいつものように、東の窓際に立ち、ブラインドの紐を引いた。

光は……

射し込まなかった……。

朝はこなかった………。

引き剥がされたダストは、
不安定な個体に融合しようとする。

………この密室では

……身体が幼い少年のレヴィン。

「インディアヴェルトザイン
(In-der-Welt-sein)」

ここに存在は世界する 。

ダストは結晶に吸収された。

エクソシストとしては、不完全だった……。

無理な法術は本人にも
負担が大きい………。

母は………死んだ。

<俺は、許さない>

<……ダーザインを>

<………無力な自分を>

<必ず、手にいれる>

<ダーザインに勝るチカラを………>





忌まわしくブレンドされた化け物は、その腕の一降りで、レヴィンを紙屑のように投げ飛ばす。

バシン!

狂気をふくんだその表情は、命を潰す愉悦にひたっている。

壁に叩きつけられながらも、レヴィンは必死で意識を保つ。

<まだ……終わりじゃない…>

<イン……… >

<……ディアヴ……>

<この化物ごと、この結晶に…… >

<俺の命を使う………>

レヴィンの水晶に命を注ぐ、その瞬間。

ドォォォン!!!!!!

その時、建物に地震のごとき衝撃がはしる。

バ! ギィ! ン!!!

凄まじい響きと共に、
壁が崩れ落ちる……。

砂埃の奥から現れた深紅の瞳に、圧倒的な破壊力を得たはずの化け物にある感情を植え付けた…………

恐怖だ。

レヴィンの姿を確認したミヅキが、犬歯を尖らせた口を開く。

「この犬が………」

「できてんだろな…………覚悟は! 」

【第二部 006話へ】

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中